常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

trickle down theory

羽田新国際ターミナルがいよいよ明日21日にオープンします。江戸の街並みを意識した江戸小町や,日本のポップカルチャーを取り入れた通りなど,海外からの旅行客だけでなく,地域の人々も楽しめるターミナルとなっているようです。そんな中,羽田空港の近くにあるあすと商店街では,羽田空港を利用する観光客にそのままの日本の商店街を体験してもらい,日常の日本を見せることで外国人観光客獲得を目指すそうです。The Japan Times Online(2010/10/20付け)の記事から表現を取り上げます。
Trickle down theory: Asuto shopping avenue, close to Keikyu Kamata Station, boasts a banner welcoming the opening of the new international terminal at Haneda airport. KAZUAKI NAGATA
今回注目する表現はtrickle downです。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,trickleは動詞で「(液体が)したたる,ぼたぼた落ちる;ちょろちょろ流れる,(人・物が)〈ある方向に〉少しずつ[徐々に,ゆっくり]移動する[進む]」とあり,trickle downで「(金・富などが)(富裕層から)徐々に貧しい層にまで行き渡る」とありました。あすと商店街では羽田空港の新国際線ターミナルを利用する外国人観光客をこの機に大いに獲得し,商店街を賑わそうとしているのでこの表現が合っていますね。そして空港と商店街の規模の違いがtrickle downには謙虚に映し出されています。またtrickle-downで「おこぼれ式経済政策の《政府が投資などで大企業を支援すれば,結果的に中小企業や公共の福祉に役立つという考え》」(『オーレックス英和辞典』,旺文社)ともありました。
羽田新国際ターミナルがオープンすることで,成田まで行かずに海外へ行ける利便性から,海外への旅行者が増えそうですね。次はLbow君お願いします。(ゼミ生yori-money)