常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Wading in the wheat(解説?)

今回はいつもに増して自信がありません。というのも,ご指名される以前にすでにこのcaptionは目にしていたのですが,その背景に隠されている意味がよくわからず,採り上げるのを諦めたという事実があったからです。
Wading in the wheat
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100930/1285806346
まず,wadeには「(水の中を)歩く, 歩いて渡る;(雪泥草などの中を)やっと[骨折って]通る」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)という意味があり,wheatは小麦畑のことなので,見出しは写真にもあるように「小麦畑の中をなんとか進む」という意味になります。では,この他にWading in the wheatに隠された“しかけ”とは一体なんなのでしょうか。田邉先生が与えてくださったwaddingを手がかりに考えてみますと,wadには「…に(…を)詰める」(『プログレッシブ英和中辞典』同上)という意味があり,文中にThis year's crop of buckwheat will soon be ready for harvest.とあることから,小麦の中身がつまってきている,つまり小麦が実りつつあるという意味が隠されているのではないでしょうか。また,wadはイギリス英語で「ロールパン,サンド(イッチ)」(『リーダーズ英和中辞典』第2版,研究社)を意味するので,材料となるwheatを意識したものだとも考えられます。(院生 小山本)