常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

2つのsince(解説)

小山本による2つのsinceの解説です。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100921/1285031574
Universities feel the squeeze
Since national universities became independent administrative agencies in 2004, their financial conditions have since weakened.
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ed20100921a1.html
まず,冒頭のsinceですが,これは「〜なので」という「理由」を表す接続詞です。注意すべき点はbecause,asとの使い分け。田邉祐司・他著『一日3分 脱「日本人英語」レッスン』(朝日新書)の解説を引用します。
「sinceですが,これは「すでに相手も知っている明白な理由」(すなわち旧情報)を持ち出すときに用い,becauseは「相手にとって理由が未知」(新情報)の場合。Why Questionに対して,ネイティブがsinceではなく,becauseで答えることからもこの差異はつかめます。意味の強さは,because(新情報)>since(旧情報)>as(旧情報,英国のみ)と表せるでしょう。」(p.185)
2つ目のsinceは副詞です。ただし,見ての通り,haveと過去分詞の間に置かれています。『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)では,「⦅通例haveと過去分詞の間に置いて⦆ある過去の時と現在の間に, その後(今までの間に)」と説明されており,She at first refused, but has since consented.(最初は拒んでいたが, その後, 承諾した)が例文として挙げられていました。つまり,記事のsinceは「大学が独立法人化したという過去の地点から,現在までの間」を意味していると考えられます。(院生 小山本)