常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

eke out

本日のJT(09/20/10付け)のAmerican perspectivesにあった記事から英語英表現を探ります。記事はベトナムからアメリカに移住したある一家の厳しい生活を紹介しています。以下の部分は一家のベトナムでの生活を断片的に描写しています。
Ly’s parents lived in Ho Chi Minh City, eking out a living selling “pho”noodle soup, rising at 5 a.m. and working in their shop until 9 or 10 at night. All extra money went toward school for Duong and his older brother, and fees for immigration paperwork. At times they could not pay their rent and were forced to move, but they always made sure their boys stayed in school.
今回取り扱う表現は一文目にある“eke out”です。頻出単語ではありませんがどのような意味があるのが気になったので辞書を引いて調べてみました。すると,定義に「《文》(eke out)(生計)をかろうじて立てる」とありました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。英英辞書も参照すると“to succeed in getting the things you need to live, even though you have very little money or food”と出ていました(LONGMAN Advanced American Dictionary)。確かに文面からも一家の厳しい経済状況を垣間見ることができます。
eke outと関連した表現でscrape byがあります。辞書を引いてみると「(…で)なんとか暮らしていく(on)」と記されていました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。同様にLONGMAN Advanced American Dictionaryで調べると“to have just enough money to live”とありました。英和辞書ではeke outもscrape byもニュアンスは一緒に見えますが,英英辞書をみると僅かにscrape byの方が少しゆとりがあるように思えます(あくまで私個人の見方ですが)。今後も英英辞書で類義語間にある微妙な差異を確認しながら語彙知識を増やしていきたいと思います。(ゼミ生 camel)