常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

one's first taste of#2

先ほど,JT(09/09/10付け)にあったサッカーの記事の見出しで試合がごちそうに例えられていることを取り上げました。(http://d.hatena.ne.jp/A30/20100910/1284120990
本文を読んでみると見出しの内容が本文にも反映されていたので,該当する箇所を引用してそこから新たな英語表現を探していきたいと思います。
Hara’s intention was to give the new man food for thought, and with 20 players on show over the two games there was plenty for him to digest.
一般的にfoodは「[集合的に]食物,食料,食品;(食べ物に対して)食べ物,料理」という意味がありますが,ここでは「(精神の)糧(かて);(思考・反省の)資料(for)」として使われているようです(『スーパーアンカー英和時辞典』第4版,学研教育出版)。用例にも“food for thought”で「考えるべきこと」と載っていました。原代行監督の狙いは選手の参考資料(food)を与えることだったことがわかります。
また文末にあるdigestも第一義の意味は「(食べ物を)消化する」とありますが,「[比ゆ的に]…をかみしめて考える;…を理解する」という意味もあります(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。今回は深く考える(digest)思考材料が沢山あるというという意味合いなので後者の定義を用いるのが正しくなります。また文脈上,食べ物(food)を消化(digest)するとも解釈可能なので,見出しの“feast”を意識していることが想像できます。
Zaccheroni will hope for a similar flying start when he takes the reins against Argentina next month. Until then, he has plenty to get his teeth into.
太字を辞書で引いてみるとget[sink] one’s teeth into Aで「1.A(食べ物)を口にする,Aにかぶりつく 2.A(仕事など)に精力的に取り組む」と出ていました(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。ここでも記者は文章にdouble meaningを含ませています。沢山かぶりつくごちそう(feast)があるとも解釈可能ですし,取り組むべき仕事が沢山あると捉えることもできます。(ゼミ生 camel)