常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

one's first taste of

JT(09/09/10付け)から英語の落ち穂を拾います。記事はサッカーキリンカップで日本がパラグアイグアテマラに対して勝利を収めたのを報じるものでした。その見出しが以下の通りです。
Hara serves up feast for Zaccheroni’s first taste of Japan
サッカーの記事ですが,記者は巧みにサッカーの日本代表監督を一流料理人に例えています。この記事でのごちそう(feast)を出す(serve up)料理人は原代行監督で客がザッケローニ新監督となります。料理人原代行監督は日本で初めて料理を食する客ザッケローニ監督のためにごちそうを提供したというように解釈できます。
この見出しで登場するtasteにはもちろん料理の「味」という意味がありますが,他にも「[a〜](…の)(初めての)ちょっとした経験[体験],一端,「味」(of)」という意味があることがわかりました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。同辞書の用例にも“He got his first taste of scuba diving last summer”(彼はこの夏スキューバダイビングを初体験した)とあります。
以上のことからも原代行監督はザッケローニ新監督の(初めての)日本滞在中,最高の試合を見せることで最高のおもてなしをしたということになります。ザッケローニ監督も試合の内容に満足しているとコメントしていたので,原代行監督のおもてなしは大成功に終わったと言えるでしょう。(ゼミ生 camel)