常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

sting

Asahi Weekly(2010/08/29付)の記事からです。10面のMovieの記事では9月4日より公開されるコメディー映画「COP OUT」について紹介されていました。その中に気になる表現があったので紹介します。

刑事のジミーとポールが麻薬取引人の逮捕に失敗し, 町の中で激しい銃撃戦を引き起こしてしまった二人をローマンズ分署長は無給停職処分としてしまいます。以下はその時のローマンズ分署長の会話の一部です。

Romans: I got a dead informant, I got a neighborhood shot up, I got you two burning a sting that I’ve been working for a month. And I got nitwit here, being filmed beatin’ up a kid and then stealin’ his bike.

気になったのはstingという単語です。stingといえば「刺」という意味が思い浮かびますがここでは意味が通りません。

そこで『ジーニアス英和辞典』(第4版, 大修館書店)で調べてみると, 原義には「とがった武器で刺す」とあり, 「傷つける, 苦しませる」 「(人から)金額をだまし取る」や「詐欺, ペテン, 強盗」とあり, sting operationで「おとり捜査」という意味があることが分かりました。ここではあらすじや, stingの後ろにthat I’ve been working for a monthときていることから一か月前から麻薬取引人を逮捕するために行っていた「おとり捜査」と訳すのが妥当ではないでしょうか。

詐欺や強盗(sting)は必ず誰かの, また, 自分の心をも苦しませ, 傷つける(sting)ものなのでしょうね。次回はTemple gate さんです。(ゼミ生カメ女)