常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

作戦を練る figure~out

今回は田邉ゼミ伝統の音読教材『アメリカ口語教本ー中級編ー』(旧版,研究社)から気になった英語表現を採り上げます。まずは以下の日本語を訳してみてください。

選手たちはキャプテンの周囲に集まって作戦を練った。(『アメリカ口語教本—中級編—』p.23)

答えは,The players gathered around their captain and figured out their strategy.です。ここで注目したいのが,「作戦を練る」の英訳にfigure outが使われていることです。この表現はDo you figure it out?「分かった?」のように使われることが多いような気がするのですが,なぜ上記のように使われているのでしょうか。

figure outを調べてみると,to think about a problem or situation until you find the answer or understand what has happenedとありました(LDOCE)。『オーレックス英和辞典』(旺文社)には,「理解する,分かる」のほかに「…を(論理的に考えて)解決する,考え出す[つく]」とあります。一方「練る」を辞書で引いてみると,「よりよいものとするために十分考えて修正を加える」と明記されていました(『スーパー大辞林三省堂)。figure outには,理解するのに“考え抜く”というニュアンスが含まれているので「作戦を練る」の英訳にぴったりハマると考えられます。

ちなみに『スーパーアンカー和英辞典』(第2版,学習研究社)には,「作戦の練る」の英訳として,work outとelaborateが紹介されていました。前者はto think carefully about how you are going to do something and plan a good way of doing it,後者はto give more details or new information about somethingと定義付けられています(LDOCE)。(ゼミ生persimmon柿生)