常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ロンドン大学夏期英語音声学研修講座(感想)

8月9日から約2週間にわたり,ロンドン大学夏期英語音声学研修講座(以下SCEP)に参加して参りました。拙い文章ではありますが,講座についてご報告させて頂きます。
SCEPは平日10日間にわたって開講され
◆レクチャー19時間
◆Pronunciationクラス9時間
◆Intonationクラス9時間
◆Ear training8時間
◆特別講義6時間
と,充実したプログラムで構成されています。
レクチャーで学んだ内容をクラスで実践するスケジュールとなっており,10日間を通して
◆母音と子音の発音
◆語強勢と文強勢
◆発話時の音声変化
◆リズムとイントネーション
◆標準音と方言音
など,音声学の基礎的な部分から近年の英語音声の動向に至るまで,様々な学びを得ることができました。
私が参加したEFL Strandというコースでは,英語を外国語として学ぶ際に困難な点について重点を置いて指導が受けられます。
今回の講座で学んだことは書ききれないほどありますが,まず改めて実感したのは,母語干渉による聞き取りの難しさです。
Ear trainingの授業では,Nonsense word(無意味語)を聴き取り,発音記号を書き出すという活動が毎回行われました。(例:deizub'lathou など)
10日間の中でかなり聴き取れるようにはなったものの,最後まで有声音・無声音ともに[th]の音を聴き取ることができませんでした。([f]や[v],[d]と書いてしまいました)
自身の力不足を痛感すると同時に,母語に存在しない音を理解する難しさを改めて感じました。
また,「音声」と一言で言っても,単語の個々の音から文全体の抑揚まで多岐にわたり,言語を使用する際に音声がいかに重要な役割を果たしているのか,再確認することができました。
実習校での授業を振り返ってみると,音読が棒読みになっている生徒や,句・節といったフレーズが理解できていない生徒,単語のストレス位置が分からずに平坦に発音をする生徒など,音声面における課題は山積みです。
今回のロンドンでの経験を,少しでも現場に還元できるよう,9月からも精一杯努力してまいります。(卒業生 Queen Imazabeth)