常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

お店のあれこれ

研究室内での様子を少しお届けします。研究室に通うゼミ生達は常に英語に関する疑問を活発に議論しています。今日は様々な「店」の違いについて話し合いました。

まず「店」を英訳すると,大きくshopとstoreの2通りがすぐ思い浮かぶと思います。辞書でshopを調べてみますと「《英》(物を売る)店,小売り店(▶《米》でもときにshopを用いる事があるが,その場合はstoreよりもこぢんまりした専門店をいうことが多い)」と載っていました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。一方,storeを調べてみますと「《おもに米》店,小売店;商店(▶《英》ではdepartment store(百貨店),chain store(チェーンストア)などの大型店舗以外はshopを用いる)」と記されていました(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。上記のことから,shopはおもに英国で好まれて使われ,storeは米国で使われることが断然多いということがわかりました。また,shopはstoreに比べて規模が小さくなることが辞書の補足説明からわかります。

議論は食料を売る「店」と移り,ゼミ生はdepartment store, supermarket, grocery store など次々と単語をあげていきました。そして単語間にある微妙な差異を調べていきます。department storeを調べると「デパート,百貨店」と出ていて,語法の欄には「(1)売り場(department)が集まってできているのでこう呼ばれる.「デパート」は和製英語(2)特定の百貨店をさす場合にはdepartment storeを付けず,たとえばMacy’s(メーシー百貨店)のように言う」と書かれていました(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。supermarketには「スーパー(マーケット),大型食品売り場(▶おもに食料品(と多少の日用品)を扱う大型店)と記されていました(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。最後にgroceryを調べると「食料雑貨店,乾物屋」と明記されています(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。このことからもデパートは他の2つよりも規模が大きく様々な売り場が密集してできた店で,スーパーはデパートよりも小さくグローサリーよりも大きい店,グローセリーは食料品を扱う最も一般的な店であることがわかります。これらの「店」よりももっと大きい「店」がmallのようです。辞書訳には「モール(街),ショッピング街(歩行者専用のプロムナード風の商店街,またはショッピングセンター;shopping mallともいう)」とでています(『スーパーアンカー英和辞典』同上)。この代表例としてAEON MALLなどがあります。

知っている単語であっても,その微妙な差異は一歩踏み込んで調べてみないとなかなかわかりません。今日も議論の中で自分の英語の知識に関する盲点がいくつも明らかになりました。これからもゼミ生同士学び合いながら英語力を伸ばしていきたいと思います。(ゼミ生 Lbow-shoulder)