常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

late bloomer

Telegraphにあった記事を採り上げます。
イギリスでは大学進学のため,16歳でGCSEという試験(日本でいうセンター試験にあたるもの)を受けるのが一般的です。そして,その結果が進学に大きく影響するのですが,早い段階で生徒を選定しその後の人生を決定してしまうシステムに対して,「大器晩成」のようなタイプの存在をどのように扱うかというような異論を唱える声もあります。
さて「大器晩成」を英語でいうとどうなるでしょうか。記事には以下のように書かれていました。
Teachers warned that the move risked punishing late bloomers and forcing children to make decisions about their career at the age of 13, when GCSE options are chosen.
http://www.telegraph.co.uk/education/educationnews/7961011/University-candidates-selected-on-their-GCSE-results.html
そもそも「大器晩成」とは「大きな器が早く出来上がらないように、大人物は世に出るまでに時間がかかるということ」という意味で『老子』からきた表現です(『大辞林三省堂)。
これを英語ではlate bloomer「遅咲きの花;遅咲き[晩成型]の人」と言います(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。ちなみに外山滋比古は『空気の教育―しつけのための七章』(福武書店)の中で,こどもの成長を花にたとえて書いていました。おそらくこのlate bloomerを意識して書かれたものでしょう。(院生 小山本)
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20100504/1272956463