常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

onの用法

田邉ゼミの英語勉強法の王道とされているのが,『アメリカ口語教本』(旧版,研究社)です。どのように勉強するかといいますと,例えばPRESENTATIONのページを口について出てくるまで音読したり,JAPANESE-ENGLISH DRILLで日本文を英文へ即時変換をするという日英の往復運動をしたりなどします。今回はそのアメ口(advanced course)と戯れていたときに,「おやっ?」と思ったことを紹介します。

まず,この日本語を英文に訳してみてください。
「村井教授の書庫には科学,哲学などのたくさんの本があった。」(『アメリカ口語教本―上級編―』p.145)

答えは,There were many books on science, philosophy in Professor Murai’s library.です。ここで注目してほしいのが,onの用法です。「〜について」という日本語を見ると,ついすぐaboutを使いたくなるのが一般的ではないでしょうか(特に私はそうです!)。しかし,onには主題・関連「…について(の),…に関して」という用法があり,aboutよりも学術的・科学的というニュアンスを含んでいます(『オーレックス英和辞典』旺文社)。

「〜について」と言えば,concerning/regarding,with regard to, reなども考えられますが,LDOCEはこれらの違いについて以下のように定義付けをしています。
・concerning/regarding:formal about
・with regard to:formal about – used especially when you want to start talking or writing about something
・re:used in business letters and in emails to introduce the subject that you are going to write about

基本的なこともこのように辞書を引き,学ぶことにより新たな発見があるのですね。(ゼミ生persimmon柿生)