常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

keep A at bay

Newsweek(08/09/10付け)のBOOKS欄,Salinger Like You’ve Never Seen Himから。
But that lock didn’t just keep busybodies at bay.
J. D. Salinger(The Catcher in the Ryeの作者)は人生の半分近くを一目に触れぬように過ごしていたこと(secluded)で有名ですが,辞書で調べると,keep A at bayで「A(敵・危険など)を寄せ付けない」とありました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。bayというと「湾」を想起する人も多いと思いますが,その他に「(追跡中の猟犬の長く低い)ほえ声, うなり声」という意味があり,そこから「⦅通例at, toを前に置いて⦆(けもの逃亡者などが)追い詰められた状態;窮境, どたん場;追い詰められて刃向かう状態;絶体絶命の反撃」という意味を持ちます(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。keep A at bayという表現はこれに由来するものです。
また,busybodyは「おせっかい屋」のこと(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。ここでは彼にアプローチした出版社も含めた,彼の関係者を指していると考えられます。(院生 小山本)