常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Nuclear umbrella

昨日,広島市秋葉忠利市長が今月6日に開かれる平和記念式典で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表しました。THE JAPAN TIMES(8月3日付け)の記事から見出しを取り上げたいと思います。
Hiroshima mayor to urge Japan to leave U.S nuclear umbrella
ニュースなどでも,「核の傘」という言い回しは当たり前のように使われていますが,念のため「核の傘」を『広辞苑』(第5版,岩波書店)で調べてみると,「自国の安全を核保有国の核抑止力に依存して確保しようとすること」とありました。つまり,日本のように核を保持していない国が核保有国と安全保障条約を結ぶことで核抑止力を得られるという考え方です。
そこでさらにumbrellaを辞書で引いてみました。すると「傘」以外にも「保護(する国[組織]),包括的な,援護飛行隊,クラゲの傘」(『オーレックス英和辞典』旺文社)とありました。以上から,英語でumbrellaはダイレクトに「保護」を意味し,日本語の「核の傘」は英語の直訳だったことがわかります。
昨年の8月6日に私も広島を訪問し,平和記念公園に足を運びました。そこで学ぶことは教科書では感じ取ることのできないことばかりでした。一刻も早く世界から核兵器がなくなることを心から願います。次はLbow-shoulder君お願いします。(yori-money)