常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

最後の「聖戦」

Lbow-Shoulderです。
先ほども田邉先生がとりあげておられましたが,明日25日に米韓合同で行われる軍事演習に対し,北朝鮮が「無謀(reckless)」と述べ,この両国に対し必要とあらば「聖戦」を開始するとの宣言をしました。悠長な事は言っていられませんが,この「聖戦」とは英語でなんと言うのでしょうか。ロイター電(7月24日)では以下の表現が使われていました。
sacred war
http://www.reuters.com/article/idUSTRE66M10I20100724
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,「神聖な,聖なる」とあります。しかし,和英辞書を引いてみるとholy warとありました『スーパー・アンカー和英辞典』(第2版,学研)。なぜ同義であるholyではいけないのでしょうか。次にholyを英和辞書で引いてみると,「sacredは(人為的権威で)聖別された,捧げられたの意」とありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。このことから,北朝鮮の身勝手さが伝わってきます。
また,個人的に「聖戦」と聞くとjihadを思い浮かべました。国語辞典によると,jihadは「古典イスラム法で、イスラム共同体の防衛や拡大のための戦いをいう。元来の意味は、一定の目的に対する努力。聖戦と訳される。」とあります『大辞泉』(小学館)。結論として聖戦という表現を3つ採り上げましたが,今回の場合はsacred warが適しています。戦争のない世の中はいつ訪れるのでしょうか。不安でいっぱいです。(ゼミ生 Lbow-Shoulder)