常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

carpetbagger

ついにW杯も終わってしまいましたが,Newsweek.com からW杯後の監督たちの動向について,記事の見出しを採り上げます。
World Cup’s Carpetbagger Coaches Deliver Low Return on Investment
Countries should rethink paying top dollar for foreign-born managers, who have never won them a global championship
http://www.newsweek.com/2010/07/11/world-cup-s-carpetbagger-coaches-deliver-low-return-on-investment.html
carpetbagは「カーペット地の旅行かばん」を指し,そこからcarpetbaggerで「(特に南北戦争後南部に渡った)渡り政治屋,一旗組,いんちき銀行家,(選挙区に結びつきのない)輸入候補」(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)という意味があります。これは「南北戦争のあとに私利を求めて南部へ移住した北部出身者」がcarpetbagをもって旅行していたことに由来するものです(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。
1964年に公開された映画The Carpetbaggers(邦題「大いなる野望」)のような使われ方もありますが,今回の見出しのように,どちらかというとこのcarpetbaggerには「よそもの」や「いんちき」といったニュアンスがついて回ります。(院生 小山本)