常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

promisingとは限らないpromise

参院選挙は予想通りの結果になりました。本日のDY(07/13/10)は,「ねじれ国会」(divided Diet)が引き起こすであろう国会運営の難しさを;UPPER HOUSE ELECTION 2010 / Divided Diet promises gridlockという見出しで「予測」していました。
ところで,ここにあるpromiseという動詞,気になりませんか。そう,promiseという単語に私たちは「明るい希望,未来」が約束されているような印象を持ちます。これは訳から来るものかどうか,その真偽はわかりませんが,とにもかくにもpromiseを「プラス・イメージ」の単語の範疇に入れてしまいがちです。
英英の方をチェックしてみると,1 to tell someone that you will definitely do or provide something or that something will happen.という定番の他に,2 to show the signs of somethingという語義が潜んでいました。そこにはTonight's meeting promises to be a difficult one./dark clouds promising showers later といった決してプラス・イメージではない例文が添えてあります(LDOCE)。
英和辞典を調べてみますと,確かに「<事が>... する見込みがある,<雲などが><雨・晴>などの前兆になる」のような英英の語義2に相当する定義は載ってはいますが,プラス・イメージの「約束」の中で目立たない存在です。そして,そこにある例文も実にpromisingなものばかりです。
イメージだけでとらえている言葉は他にもたくさんあると思います。このブログでそうした言葉をつかまえて,「イメージの是正」をはかりたいものです。(UG)