常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

梅雨の時期は雨が多くて嫌な時期です。天気のせいで気分が乗らなかったりする人も多いはずです(私はその一人ですが…)。さて,日本語には雨に関する表現はとても多くあります。生活と密接に関わる単語というのは必然的に多くなるのでしょう。そこで今の時期に関わる雨の表現を『スーパーアンカー和英辞典』(第2版,学研)よりいくつか取り上げてみます。
大雨 heavy rain
豪雨 torrential rain
通り雨 (passing) shower
どしゃぶり downpour, drencher
長雨 long rain
にわか雨 shower
雷雨 thunderstorm
霧雨 drizzle
そもそも日本語でも違いがわかりにくいものまでありますね。通り雨とにわか雨の違いがよくわからなかったので(むろん英語では同じ言い方をしてしまうこともあるようですが),気象庁のホームページを参照してみました。尚,通り雨の別名は「しぐれ」だそうです。
にわか雨
降水が地域的に散発する一過性の雨。
備考:「にわか雨」のなかには「一時的に降る雨」という意味が含まれているので,冬期の日本海側において,対流雲が次々と通り,晴れとしゅう雨(雪)が繰り返すような現象に対しては「にわか雨(雪)」は用いない。
しぐれ
大陸からの寒気が日本海東シナ海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通るために晴れや曇りが繰り返し,断続的に雨や雪の降る状態。「通り雨」として用いられる場合もある。
備考:主に晩秋から初冬にかけて,北陸から山陰地方や九州の西岸などで使われる。関東地方では後者の意味で用いられる。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html
英語では厳密にわけなくとも,日本語では厳密に分けて使っているのです。文化と言葉は切って切れない関係であることの一例とも言えるでしょう。(院生 montagne)