常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Persimmon柿生講座#3「kick around the park」

お次の英語表現は,ブラジル対ポルトガルの注目の一戦を扱った記事からです。
今回の対戦結果は0対0でしたが,1966年のイングランド大会では3対1でポルトガルが勝利していました。そのことについてTHE DAILY YOMIURI(6/27/10付け)が以下のように書いています。
The most highly-anticipated group stage encounter was less an exhibition of the beautiful game and more a reminder of their 1966 World Cup meeting, when a 25-year old Pele was kicked around the park by the Portuguese defense.
では,ここでwas kicked around the parkをどうやって据わりの良い日本語に訳すか考えてみましょう。
ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)によると,kick aroundは「〈人を〉利用する,もてあそぶ」とあります。さらにサッカーはボールをキックするので,そのkickとも掛けていることが分かりますね。そして,the parkは英略式で「サッカー場」という意味になります(『ジーニアス英和辞典』同上)。よってwas kicked around the parkは直訳調で「サッカー場でもてあそばれた」となります。そこでサッカー風に訳しなおすと「ピッチで遊ばれる」が据わりがいいのではないでしょうか。(ゼミ生persimmon柿生)