常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

June bride

早いもので,残り約一週間で6月に入ります。
6月といえば雨の日が多い,ジメジメする,祝日がない…などマイナスのイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
6月に何かプラスのイメージを…と思い『ジーニアス英和辞典』(第4版,大修館書店)でJuneを引いてみました(いわゆる辞書を「読む」という行為ですね−by 小山本)。すると,「6月(バラと夏至を連想する月,英国では最も快適な月で社交界のにぎわう時期)」という意味の他に,June bride「6月の花嫁(六月に結婚すると幸せになるといわれているため)」という意味がありました。女性ならば一度はその言葉を耳にし,憧れを抱いたことがあるのではないでしょうか。では,なぜJune brideは幸せになれるのでしょうか。
その答えはJuneの原義に隠されていました。『ジーニアス英和辞典』(同上)よれば,Juneの原義は「ローマ神話ユピテルの妻ユノ(Juno)の月,ユノは結婚の守護神」。このユノはオリンポスの女神のうち最高位を占め,女性の守護神として結婚と出産のことを司るものと考えられていたようです(cf. 中島弧島(編)『ギリシャローマ神話伝説集』誠文堂)。そのため,人々はユノの月(6月)に結婚すれば幸せになれると考えたんですね。
また,ヨーロッパではかつて3〜5月は結婚することが禁止されていたため,6月の解禁とともに結婚がする人が多いということや,日本とは逆に雨が少なく晴天が続くため6月の花嫁は幸せになれるという説もあるようです。
6月はたくさんのJune brideたちの幸せそうな笑顔が溢れる素敵な月なのかもしれません。次回はb.m.04:43さんよろしくお願いします。(ゼミ生 カメ女)