常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

松井のfeast

研究室にいると,英語の知識が自然と増えていきます。今日は田邉先生から教えていただいた英語表現を一つ紹介します。ソースはTHE DAILY YOMIURI(2010年5月10日付け)のスポーツ欄にあった見出しです。
Matsui’s milestone RBI lifts Halo's past M’s
アメリカ大リーグのエンジェルズで活躍する松井秀喜選手の記念すべき1500打点を伝えた記事です。RBIはrun(s) batted inの略で「打点」という意味で,文尾のM’sはイチロー選手が所属するMarinersの略です。
 しかし,この文脈でのHalo'sの使われ方がわからなかったのです。辞書で調べてみますと,「円光,光輪,後光,光背(aureole)」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)という定義がありましたが,野球との関連性がありません。注意深く見ると,halosの“h”が大文字になっていることに気付きました。したがって,ここでのHalo'sはLos Angeles(天使の街,halo光輪をたずさえた天使!)の言い換えであることが分かりました。そのためにHalo'sはしっかり'sがついています。
同辞書でliftの原義を調べると「天まで持ち上げる」とありました。松井の記念すべき1500打点がエンジェルズを天まで持ち上げていったという文意になるのではないでしょうか。
なかなか偉業達成直前で足踏みをしていた松井選手ですが,大事な局面で決めてくれました。自分もここぞというところでmilestoneを打ち立てたいものです。(ゼミ生 camel)