常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Formosa

世界ふれあい街歩き」台南特集の続きです。
日本,中国,韓国がそれぞれJapan, China, Koreaという英語名を持つように,台湾にも英語名があります。台湾の英語名はFormosa(フォーモウサ)です。原義は「美しい島」(『ジーニアス英和辞典』第3版, 大修館書店)。
ただ,Formosaの由来に関しては,ポルトガル語で「美しい」という意味のformosamenteからきたという説や16世紀に台湾付近を航海していたオランダ人が島のあまりの美しさに「Ilha Formosa!(美しい島)」と叫んだという説など,諸説あって定かではありません。
ちなみに,昔,この話をスペインから留学生にしたところ,このformosaにあたるスペイン語hermosa(エルモッサ)だと教えてくれました。ついでなのでhermosaも覚えてしまいましょう。 
また,以前,田邉祐司先生から,日本の小笠原諸島にも英語名があると教えていただきました。小笠原諸島の英語名はthe Bonin Islandで,『ジーニアス英和辞典』(第4版, 大修館書店)によると,日本語の「無人(ぶにん)島」(現代発音では(むじん))の音訳からとのことです。
これはあくまで私の経験の範囲内の話ですが,英語圏の人たちと台湾の話をするとき,彼らは台湾のことを”Taiwan”と呼びますし,英字新聞やニュースでもFormosaという言い方を目にすることはあまりありません(筆者の勉強不足もあると思います)。ただ,世界地図を見てみると「台湾海峡」にあたる英語はFormosa Straitとなっているので,やはりFormosaの方がofficialな言い回しなのだと思います。(ゼミ生 小野拓也)