常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bitter river

引き続きSpider Eatersを読んでいた時に、”bitter river”という気になる表現を見つけました。本日は、bitterが持つ意味に基づいて、その表現の解釈をしていきます。
New Oxford Dictionaryでは、bitterは「苦い」の他に"(of people or their feelings or behavior) angry, hurt, or resentful because of one’s bad experiences or a sense of unjust treatment” や、”(of a conflict, argument, or opponent) full of anger and acrimony”などとありました。合わせて、『ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)で同単語を引いてみると、「〈人が〉〔〜のことで〕憤慨して、悔しい、辛い」、「〈言論、議論などが〉激しい、辛辣な」、あるいは、「〈出来事などが〉酷い、辛い」とありました。
このことから”bitter river”は差別的行為全般の隠喩ではないかと思われます。実際に同表現は、アフリカ系アメリカ人作家のLangston Hughesによる1940年代のアメリカをテーマにした詩のタイトルにもなっています。以下のサイトを参考程度に。(WREN@Nebraska)

http://www.english.illinois.edu/maps/poets/g_l/hughes/bitter.htm
https://www.highbeam.com/doc/1G1-265495192.html