常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

breeze into 復習

 男子テニスの錦織圭選手は、マスターズ・モンテカルロ大会で準優勝を果たしました。

Air K breezes into Monte Carlo final

MONTE CARLO (AFP-Jiji) — Kei Nishikori believes he can find a way to beat Rafael Nadal in Sunday’s Monte Carlo Masters final, but admits that the 10-time champion looks in ominous form.

World No. 1 Nadal eased to a 6-4, 6-1 semifinal victory over Grigor Dimitrov on Saturday, while Japan’s Nishikori came back from a set down to beat third seed Alexander Zverev.

以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0004389700

 breeze intoを取り上げます。breezeは名詞で「そよ風」という意味がありますが、今回は動詞で使われています。intoと後ろに続いているので、そよ風が吹き込むという意味も考えられましたが、それだと意味が通りません。『ウィズダム英和辞典』を引いたところ、breeze + 副詞で「〈人が〉さっそうと歩く;楽々と進む」とありました。副詞には方向を表す表現がくるそうです。またLDOCEではto walk somewhere in a calm confident wayと定義されています。LDOCEにはbreeze through ~でto achieve something very easilyという表現も載っていました。記事ではbreeze intoの形で使われていますが、この定義で今回は使われているのではないかと思います。『ウィズダム英和辞典』には使用例として、breeze into the final 「決勝戦へすんなり行く」が示されていました。おそらく、錦織圭選手の代名詞でもあるAir Kには「空・空気」を表すairが含まれており、その表現にbreezeを関連させて使っているのだと思います。(Blue Sky)

動詞の妙 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

動詞の妙 #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から