常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

heart of gold 復習

 昨日のゼミでNele Youngの唄う “heart of gold” という曲をディクテーションしました。そこでもっと “heart of gold” ついて調べてみました。

 『ジーニアス英和辞典第5版』(大修館) によると「優しい心の持ち主、思いやりのある人」といった意味があるとわかります。“gold” は「黄金、お金、金塊」といった意義から派生し「貴重なもの、大切なもの」というニュアンスを含む場合があり、直訳の「黄金の心を持つ人」から(この世にとって)貴重で大切な心を持った人物を指す表現として「優しい心の持った人物、思いやりのある人」と意訳されるようになったと推察できます。

 またこの “heart of gold” の邦題名が「孤独な旅人」という訳がついていることにも注目しました。詳しく正確な経緯は辞書やネットに記載されていませんが、おそらく「美しく優しい人になろうとすることが孤独なものである」というニュアンスを含んでいると窺えます。この曲には “I 've been a miner for a heart of gold” (「私は優しい心を掘り起こそうとしている」) というフレーズが何度か登場しこの曲で歌い手が最も言いたいことだと推察できます。

人が美しく優しい心の持ち主でいたいと誰もが思っていることではありますが、実際に思いやりのある行動を伴えるか考えると自分の今ある状況や立場で「優しくすること」よりも違うものを優先しがちだと考えられます。しかし理想はそういった人物像に憧れを抱いているので「優しくしよう」「辞めよう」「やっぱり優しくなりたい」「やっぱり辞めよう」と堂々巡りを私達はしていると思います。この人間にとって永遠のテーマを模索し実行に移す作業こそ「孤独であり、一人で答えを導かないとならない」という所から「孤独な旅人」という訳がついたと窺えます。(Happidra)