常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

face the music 復習

 高校時代に使っていた参考書のあるモデル会話の中にあった気になったフレーズに注目しました。

A : I skipped the math class three days constantly.

B : You have to face the music.

 Bが言っている “face the music” を「音楽に直視する、目を向ける」と直訳するとAの言ってる授業をサボったという話題と関連性がないため別の慣用表現として口語では使われると推察できます。『ジーニアス英和辞典第5版』(大修館) で “face the music” を調べると「(潔く) 責任を取る、(非を認め) 世間の批判に向き合う」といった意味で用いられることがわかります。『ケンブリッジ英英辞典』を開いてみると“to accept criticism or punishment for something you have done” あるいは “to accept responsibility for something you have done” と定義されていて自分がしたことに責任を取るあるいは自分の行為が批判されることを受け止める様を表しているとわかります。
 かつてアメリカでは軍隊による罪人の処罰を行う際に罪状が読み上げられた後で太鼓などで音が鳴る風習があったそうです。また軍隊員が不祥事などで隊を離れる場でもドラムロールで見送られるのが昔から習わしだったそうです。当事者は自分のした行為を反省し、社会的制裁を受ける責任をその音を聞きながら誓ったといいます。したがって「 (自分の誤りを省みるサインの) 音に向き合う」と直訳でき口語では「潔く非を認めて、行為の責任を取り、批判を受ける」といったニュアンスを含むと窺えます。
 実際に名前や自分に関する情報の前後に大きな音が鳴ったらと考えるとぞっとします。(Happidra)

face the music #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から