常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

subpoena 復習

政治記事からの一面です。

以前トランプ大統領の側近として選挙参謀を務めていたナンバーグ氏は、大統領は法律に背く行為をしたかもしれないと言及し、ロシアの米大統領選への干渉疑惑の一件に対しても、召喚状に応える意思はないと述べました。

Former Trump aide says president 'may have done something illegal'
Sam Nunberg says he would rip up a subpoena in Trump-Russia inquiry, but that Trump may have broken the law during the election
中略
Speaking first to the Washington Post and then on MSNBC,Nunberg vowed to defy Mueller, who is investigating Russian meddling in the 2016 US election and alleged collusion between Trump aides and Moscow.
Mueller has indicted 13 Russians and four former Trump aides, three of whom have entered plea deals involving co-operation.
Nunberg, however, said he would tear up his subpoena live on Bloomberg TV.
以下省略

https://www.theguardian.com/us-news/2018/mar/05/trump-sam-nunberg-interview-mueller-illegal-claims

今回取り上げるのはsubpoena /səˈpiː.nə/ です。subという接頭辞から「下の」「次の」「副〜」「半ば」の意義を含む語ではないかと推測しましたが、実際の意味はなんでしょうか。『スーパーアンカー英和辞典』(第五版、学研プラス)で引いたところ、「[法律](証人として法廷への出頭を命じる)召喚状、[動詞](人)を証人として召喚する」とありました。(ちなみに召喚状の類義語としては「勾引状」が挙げられ、OK辞典によると「勾」の語源には「人が腕を伸ばして抱え込んでいる」「小さく取り囲む」など、捕らえるという概念もあります。)
語源についてpoenaを調べたところ、Oxford Dictionariesでは「19世紀半ば頃、罪や罰を意味するラテン語として用いられた」とあり、特に法律や裁判用語の一部であることが分かりました。The Cambridge English Dictionaryでの定義は、“to order someone to go a law court to answer questions”と記されていましたが、poenaがラテン語から由来していることを熟知していればsubpoenaの訳も予測しやすいかと思います。cf. summons (従わないときの罰則が明記されている)
初め、bの音を含みいかにもそれっぽい発音をしてしまいましたが、正しい発音を知った後で、UG先生がおっしゃっていた「知らなければ分からない、それを誤魔化すことはできない」という言葉が脳裏に浮かびました。それぞれ積み上げたものが力となり基盤をつくる。どれくらいの時間を割いてそれを行うかで力の差異が生じる。努力は無限大なのだと感じた一瞬でもありました。(broccoli)

subpoena #3 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

subpoena#2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

subpoena - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から