常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

masquerade 復習

 インドの警察は男性だと偽り二人の女性と結婚しようとした女性を逮捕しました。


Police in India have arrested a woman who allegedly posed as a man and duped two women into marriage for dowry.

Krishna Sen was arrested on Wednesday in the northern state of Uttara hand for demanding dowry, which is illegal in India.

Police told the BBC that it was revealed during the interrogation that Krishna was a woman.

They believe Ms Sen, 26, formerly known as Sweaty, has been masquerading as a man since 2014when she first married.

http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-india-43081509

 “masquerade” /ˌmæs.kəˈreɪd/ に注目しました。『ジーニアス英和辞典第5版』(大修館) によると「〜のふりをする、他人になりすます、舞踏会に参加する」といった意味がありました。『ケンブリッジ英英辞典』をみると “behavior that is intended to prevent the truth about something unpleasant or not wanted from becoming known” と定義され、主に本来の事象について知られたくない人が起こす真実に辿り着かせないようにする振る舞いだと窺えます。
 さらに英辞郎 on the webというネットサイトを見たところ “masquerade” は元々「仮面舞踏会」の意味で使われていて、“morisco” という語が語源とされているそうです。 “morisco” はイタリア語で「仮面」を指す “maschera” からきていることがわかりました。この「仮面」には、顔の一部や全体を被るもの覆ったりするものを含むようです。つまり全体を覆って全く違うものとして人前に現れるという意味で “masquerade” が使われるようになり「装う、なりすます」というニュアンスを含むようになったと推察できます。ちなみに “mask” という語も “maschera” から派生して出来たものだそうです。
 このニュースの問題点は二人の女性を同時に恋愛しようとしたことはさておき加害女性が真実を告げずに被害女性に接近したことだと思います。性の多様性が世界的にも確立されつつある現在では女性と女性同士の恋愛や結婚も割りと珍しいことではないため被害女性も最初から認知していればまた別のカップルの形を築けたのではないかと感じました。(Hapidra)

masquerade 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から