常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

N-word

 世界的に有名なYouTuber が、オンライン放送中に、いわゆる「Nワード」を使用して問題視されました。

The world's highest-paid YouTube star, PewDiePie, has used the "n-word" during an online broadcast.

The 27-year-old Swede - real name Felix Kjellberg - could be heard using the racial slur while he was playing a video game during a live streaming.
After using the term he appeared to recognise his error, saying: "I don't mean that in a bad way."

http://www.bbc.com/news/world-europe-41222593

 今回は、"n-word" を取り上げます。英語を学び、話す者は、相手のことを考えてコミュニケーションをとることが必要になります。よって、私たちはこういった言葉の扱いには十分気をつけるべきであり、そのためにもしっかりと勉強しなくてはならないと考えます。
 "n-word" とは、"f-word" と同様に公の場で使うことがはばかれる言葉として知られています。『Longman Dictionary of Contemporary English 5th Edition 』(Pearson Education Limited 2009) で調べると、"The N-word used when you are talking about the word ' nigger ' but do not want to say it because it is offensive." とあり、"nigger" を『ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館)で確認すると、「(侮辱) [時に呼びかけ] 黒んぼ 〈♦︎Negro よりひどく侮辱的な語〉」とあります。また、同書で "Negro" を調べたところ、「(アフリカの)黒人;(特に米国の)黒人, [侮辱のイメージ] 1 歴史的文脈以外では(侮辱) 2通例Black や African - American が用いられる. 3 colored person はもとは遠回しな言葉だったが今は侮辱的. 4 nigger は強い侮辱を含む. 」とありました。

 以上から分かるように、"n-word" は人種差別、特に黒人に対する人種差別用語です。ちなみに、『New Oxford American Dictionary 3th Edition 』(Oxford University Press 2010)によれば、" nigger is sometimes used by black people in reference to other black people in a neutral manner." とあります。ですが、我々は使用に注意を払わなければなりません。

 今回の記事によると、彼はDisneyと結んでいた契約も切られてしまったとのことです。口は災いのもと、と日本では言いますが、私たちは言葉で相手を幸せにすることも出来れば、逆に傷つけてしまう可能性もあるということを肝に命じておくべきだと思います。(OkaUchi)