常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

(with)in striking distance

 米太平洋軍司令官のハリス司令官は26日、米下院軍事委員会公聴会で空母 カールヴィンソンの航行地点について聞かれ、「カールビンソン空母打撃群は沖縄東方におり、北朝鮮への攻撃射程内にある。」と語りました。これを伝えたJapan News (AFP-Jiji)は、Carl Vinson now in striking distance という見出しが打っていました。

  

 一般にstrikingは「目立つ、著しい、印象的な」という意味の形容詞ですが、distanceといっしょになると、「〔雷の〕電撃距離」を表します。ここは軍事展開のことですので、in striking distanceで「(〜の)射程距離内に、(〜に)迫って」を意味します。ここでは副詞 nowとともに北朝鮮を攻撃できる地点に展開されているという切迫感のある表現になっています。
 なお、in striking distanceのもともとの形はwithin striking distance で、「〔人・物の位置が〕拳で殴れる範囲内に、すぐ近く」という比喩表現です。
 UG先生によるとStriking Distanceというブルース・ウィリス主演の映画があり、この題名も「手の届く所」という意味でつけられたのではと、おっしゃっていました。(Super Cayu)