常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

専修大学教育学会感想

昨日、第64回専修大学教育学会に参加して参りました。学会は先生が書かれていたように専修大学神田キャンパスで行われ、午前の部では、文部科学省初等中等教育局課程課の教科調査官をされている赤堀博行先生のご講演を拝聴し、午後の部では、各校種における道徳教育の実践報告に基づいて研究会が行われました。

講演のテーマは「道徳教育の特別の教科化と授業改善の在り方」でした。道徳が特別な教科として教えられるようになったものの、まだあまり浸透していないことや、どのように授業を行ったら良いのかという戸惑いの声が上がっていることなど、現状について知ることができました。道徳教育を行う上での目標として、生徒自身が考え、議論することがあげられており、教員の考えを一方的に押し付けてはいけないとのことでした。ある程度道徳とはどのようなものかその範囲を示すことは大切ですが、あくまでも生徒が主体となって考えたり、問題解決を図ったりするよう発問を工夫することはとても難しいことだと思いました。

研究会では、小学校、中学校、高校の各学校でどのような授業を行っているのかについて数名の先生方が発表をされ、生徒たちの取り組みについて学びました。それぞれの現場に合わせた指導の方法があり、小学校では紙芝居やピクチャーカードを用いたり、高校では議題を設けて生徒同士でディスカッションするなど、課題を考えるアプローチの仕方は様々であることがわかりました。教科書を用いるのも1つの手段ですが、道徳に関連する映像を見たり、ロールプレイングを行ったりすることも現場では取り入れられています。重要なのは「生徒に何を考えさせたいのか」という指導観であり、道徳教育を行うにあたってこれを常に頭においておく必要があるのだということがわかりました。

私の経験を思い返すと、小学校の頃は教科書を用いて道徳を学びましたが、中学校、高校と年齢が上がるにつれて道徳に触れる機会は減なくなっていったように思います。この学会を通して道徳とはどういったものなのかということ、そして道徳教育の重要性についても改めて考える機会となりました。貴重な機会を頂けたことに感謝致します。ありがとうございました。(aqua)