常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

have a sting in a tail

運動会シーズンです。ムカデ競争が安全に行われたことを祈らんばかりであります。

482 students bust bones in school 'centipede races' in one year
"Centipede races" can certainly have a sting in their tail, with 482 children at elementary, junior and senior high school level in Japan breaking bones during such events in the 2014 academic year, a study has showed.
http://ajw.asahi.com/article/behind_news/social_affairs/AJ201510150044

have a sting in their tailを取り上げます。『オーレックス英和辞典』第2版(旺文社)にはa sting in a tailで「(話などで)最後に述べられる不愉快な[思いがけない]こと[事実]、予期せぬ結末、悪い後味」(--“something unpleasant that comes with something that seems to be pleasant”MED2)とあります。この場合は、たとえ自分たちのチームが1着でゴールして、その場ではうれしくても、誰か怪我をした生徒がもしいれば、その生徒にとっては悲しい出来事になるということです。

怪我は、決して全治何日で治るようなものでないケースも少なくありませんし、本人が死ぬまで付きまとうかもしれないのです。「スターウォーズ」シリーズではありませんが、the dark side of“Centipede races”です。ダブルクオーテーションマークがついて、“Centipede races”とありますので、取り上げた表現のstingは、「(ハチ・サソリなどの)毒針、(蛇などの)毒牙(米 stinger);(植物の)とげ」と掛けられています。ですが、調べたところによると、ムカデに噛まれると、噛まれた箇所は痛みはするものの、死に至るようなことはないということでした。心身の健康について学ぶのが保健体育なのだとすれば、その一環として行われている運動会、体育祭、球技大会では、怪我のないように、そして、その後の人生に活きるようにしなければならないと考えました。(Kawada)