常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

a rout and a romp

カナダ女子ワールドカップ決勝が日本時間6日の朝に行われましたが、残念ながら日本はアメリカに敗れ、準優勝となりました。ここまで1試合1試合をなんとか勝ち進み、前回王者の意地を見せてきたなでしこジャパンでしたが、前半の4失点を取り返すことはできませんでした。

In a Rout and a Romp, U.S. Takes World Cup

VANCOUVER, British Columbia — The Women’s World Cup began uncertainly for midfielder Carli Lloyd. But it quickly built toward predatory dependability, then concluded Sunday in a display of startling deliverance.
Lloyd scored the quickest goal in a Women’s World Cup final, slicing a shot with the outside of her left foot from a corner kick in the third minute of a 5-2 victory over Japan, as the United States became the first team to win the tournament three times.
http://www.nytimes.com/2015/07/06/sports/soccer/womens-world-cup-usa-defeats-japan-to-win-title.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=b-lede-package-region®ion=top-news&WT.nav=top-news

今回の記事から取り上げるのは見出しにある”a Rout and a Romp”です。最初は慣用表現かと思いましたが違ったようです。『ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)』によると、”rout”には「壊滅的敗走;大敗北、総崩れ;退散」という意味があり、“romp”には「〔…に対する〕楽勝《新聞用語》」という意味があることが分かりました。それぞれLDOCEで調べてみると、” a complete defeat in a battle, competition, or election”、” when one sports team defeats another one very easily - used in newspapers”という定義が載っていました。
調べてみたところこの2つは対義語の関係でもないようなので、韻を踏むためにこれらの単語が選ばれたのだと思います。

ここでの敗北とは前回のドイツ大会で日本が優勝したことによるアメリカの敗北を表しており、楽勝とはもちろん今回の結果のことを指しています。ピンとくる訳が浮かばないのですが、「壊滅からの圧倒的勝利」といったところでしょうか。
今回は澤選手にとってのワールドカップは最後かもしれないと言われていただけに優勝で終わって欲しかったですが、今後も女子サッカー発展に向けたなでしこジャパンの活躍に期待したいです。(bookmark)