常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

skyscraper#2

 「私の東京は優雅です。」「もう旅する理由はない。ようこそ新世界へ。 」「時が静(と)まる地。時を自在にする日々。」「果てしない大空をリザーブする。」・・・これは何の広告でしょうか。答えは高層マンションです(【優美】めくるめくマンションポエムの世界【大袈裟】 - NAVER まとめ)。なかなかインパクトのある見出ですね。このようなマンションに関わる企業は,土地を購入し,建築を依頼するデベロッパー,実際に建築を行うゼネコン,個人に販売を行う仲介業者があります。デベロッパーがマンションの売主であり,土地代や建設費用,仲介業者を雇えば仲介手数料などを支払う必要があります。これらの莫大なコストを回収するためにも,確実にマンションに住む住民を探す必要があります。最初に書いたような目につくキャッチコピーを打つのは,顧客の購買心を刺激したりブランド力を高めるために行うのでしょう。
 一方で,高層マンションに住むことに警鐘をならす研究結果が存在します。東海大学医学部の逢坂先生の研究によると,高層マンションの6階以上に住むと流産率が20%を超えるという恐ろしい結果です(マスコミが報道しない高層階症候群に要注意!6階以上に住んでいる方の20.88%が死産&流産!三井不動産などの財閥系が情報を隠蔽?|情報速報ドットコム)。実際,イギリスでは,育児をしている世代は4階以上に住まないように法規制されているそうです(【高層階病】イギリスでは育児をしている世代は4階以上に住まないように法規制されている。 - るいネット)。この研究には統計的な因果関係が存在しないなどの反論もあります。「ない」かもしれないけど「ある」かもしれない。このような研究が報道されているのを見たことがありません。最初に書いたようなキャッチーな広告でイメージを高める企業にとって,このような研究結果はあってはならないことなのでしょう。テレビ局も企業なので,スポンサーを失いかねないことは出来ないという見方もできます。
 長々と書きましたが,ドバイの高層ビル79Fで起きた火災についてです。記事の中で気になった単語は「超高層ビル」を表す"skyscraper"です『(Wisdom英和辞典第三版』(三省堂))。"sky"「空を」"scraper"「こするもの」という風に分解できます。当初は"Torch skyscraper"で「象徴的な超高層ビル」と訳していたのですが,ドバイにあるこの建物の名前が"Torch Tower"なだけでした。(Ume)

Fire rips through Torch skyscraper in Dubai

A fire has swept through the Torch skyscraper in Dubai, one of the tallest residential buildings in the world.

Strong winds helped the blaze to spread across the 336.1m (1,105ft) high building in the marina district.

One eyewitness told the BBC "there was debris flying everywhere, falling into neighbouring buildings". The fire was later brought under control.

It is not known what caused the blaze. Hundreds of people were evacuated and there are no reports of any casualties.

http://www.bbc.com/news/world-middle-east-31562099

skyscraper - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から