常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

講演会のお知らせ

Othelloくんが行きそうな講演会です。


2014年度青山学院英語教育研究センター・JACET関東支部共催講演会(第5回)
日時:2015年1月10日(土)16:00-17:30
講演者:中山夏恵(共愛学園前橋国際大学准教授)・栗原文子(中央大学教授)
場所:青山学院大学総研ビル(14号館)11階第19会議室
講演題目:「グローバル時代に求められる異文化間能力ー英語授業における現状と課題」
参加費:無料(事前申込不要)
問合せ先:JACET関東支部事務局 jacet-kanto-office@cl.aoyama.ac.jp
会場の詳細については、以下をご覧ください。
交通アクセス:http://www.aoyama.ac.jp/other/access/index.html
キャンパスマップ:http://www.aoyama.ac.jp/other/map/aoyama.html

講演概要:
グローバル化がますます進む中、世界の様々な地域で、英語は国際共通語として頻繁に使用されている。そのような状況において、学習者に育成されるべきコミュニケーション能力とは何か、明確にしておくことは重要である。Byram(2009)は、言語能力、社会言語能力、談話能力に異文化間能力を加えた異文化間コミュニケーション能力のモデルを提唱した。

欧州評議会ではCEFRに不足している異文化間能力を補足する意味でCARAP/FREPAにより、異文化間能力を可視化した。つまり、外国語によるコミュニケーションには、異文化間能力が不可欠であると認識されているのである。日本においても、外国語の指導目標として、言語と文化への理解を通じ、異文化間能力を備えた人材を育成することが学習指導要領(文科省,2009)に明記されている。しかし、その一方で、教室内での具体的な指導内容や育成方法については具体的に言及されておらず、実際の授業の内容は、各教員の異文化・あるいは異文化コミュニケーションに対する意識や経験、さらに使用する教材等の様々な要因に影響を受けていることが推察される。

これらの背景を踏まえ、本発表では、日本の英語教育における異文化指導の現状を、現職教員の意識(JACET教育問題研究会, 2012)と、中学校英語検定教科書の分析を通じて検証する。そして、異文化間能力の育成指導が体系的に言語教育の中に組み込まれ、継続的に実践されるために有効な方策を提案したい。

講演者略歴:
中山夏恵(共愛学園前橋国際大学准教授)
専門分野は、英語教育、異文化アプローチによる言語教育など。主な著書:『新しい時代の英語科教育の基礎と実践―成長する英語教師を目指して』(共著、2012、三修社)など。

栗原文子(中央大学教授)
専門分野は、第二言語習得、英語教育、異文化アプローチによる言語教育など。
主な論文:“Promoting ‘noticing the gap’ in the Post-Task Phase: Comparing the Effects of Two Types of Activities.” 2007. JACET Journal 44: 59-70., 「日本人英語学習者による異文化間能力の検証−タスクにおける会話分析を通して−」2013『英語英米文学』No.53: 111-131.