常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

鍵十字

K-popのグループが紛らわしいマークの付いたリストバンドで問題になっているそうです。


K-Pop Band Draws Criticism for Logo’s Similarity to Nazi Symbol

little-known K-pop girl group has courted controversy after performing with red armbands that many on social media say is reminiscent of the Nazi swastika flag.

Performing at a horse racetrack earlier this month, the group, Pritz, wore black dresses and red bands around their left arms. The bands had a while circle in the middle and an x-shaped black cross inside it.

http://blogs.wsj.com/korearealtime/2014/11/13/k-pop-band-draws-criticism-for-logos-similarity-to-nazi-symbol/


私が気になった語は、赤字になっているswastikaです。私はなんとなく「鍵十字であろう」という予測を立てていました。案の定正解でした。『スーパーアンカー英和辞典』第4版(学研教育出版)には、3すくりと語から入った語で「逆卍、かぎ十字(旧ナチスドイツの印)」という意味がありました。

私が個人的に驚いたのは、かぎ十字にはナチスドイツが使っていた旗のような悪いイメージだけではなく、良いイメージもあるということでした。同辞典で調べてみますと、第1語義の所にではなく『英語語源辞典』(研究社)で語源を調べてみたところ、「卍(誇大に太陽を表し、安寧幸福の印とした。)という説明が書いてありました。「幸先のよい」という縁起がいい語源が載っていました。因みにLDOCE5も調べてみました。定義は“a sign considering of a cross with each end bent at 90, used as a sign for the Nazis Party in Germany”とありました。LDOCE5には「ナチスの旗印」だけの意味にしか書いておりませんでした。ポジティブのイメージが1つもないのに気が付きました。おそらく第2次世界大戦のことだと思います。(Kawada)