常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Let there be surf...

連休中日はたまりにたまった硬軟入り混じった録画を「速観」(?)することにしました,先週の「ヒーロー」では.冒頭にキムタクが着ていたTシャツにプリントされた"LET THERE BE SURF"に目が留まりました.

  

これは当然,旧約聖書 創世記の"Let there be light"のもじり.ご存知のように聖書にはいろいろなversionがありますが,NIVでは次のくだりで出てきます.

And God said, “Let there be light,” and there was light.

God saw that the light was good, and he separated the light from the darkness.

God called the light "day," and the darkness he called "night." And there was evening, and there was morning--the first day.                    (Genesis 1:3 New International Version)

ゼミ生には研究社の「赤本」,つまり,英米文学叢書にある「旧約聖書」に言及したときに,一分のすきもないロジックとリズムで貫かれたこの箇所を名文サンプルとして紹介しましたが(覚えている?),実際,わたし自身思い入れのある一節です.

学部生時代,とある教会(アングリカン)でBible Readerを募集していて,それに恩師が推薦してくださったのです(というか,否応もなく決まってしまった).何を,どうしたのかはもはや遠い記憶ですが,断片的に覚えているのは,聖書の有名な一節が一週間前に提示され(Good News Bible ?というペーパーバックを手渡され),それを『研究社英和大辞典』と『ランダムハウス英和大辞典』(小学館の2巻本の方)を片手に解釈し,わからない箇所はDavidに聞き,さらに暗唱できるまで読み込んだことは覚えています.そして日曜日には大勢のネイティブ(それも敬虔なクリスチャン)の前で汗をかきかき,震える声で音読したのです.

今考えると,錆び付いたわたしの英語を維持するために,pushed outputの機会を提供してくださったと理解しています.おかげで英語力の維持,伸長はもとより,英語の源泉となっている聖書の骨格を知る機会となりました.そしてもちろんpublic speakingの素地のようなものもついたと思っています.Davidには感謝してもしきれません.

Let there be "surf…,わたしはsurfをEnglishに置き換えた大学時代を送っていたのかもしれません.(UG)

PS tempus fugitさんの記事に触発されて昔のことを少し書いちゃいました.
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100521/1274411921#c