常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

広島大学英語教育学会のお知らせ

時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。下記のとおり今年度の研究発表大会・総会を開催いたしますので、多数ご参集くださいますようご案内申し上げます。

広島大学英語教育学会 会長  三浦省五

     記

1. 主催:  広島大学英語教育学会
2. 日時:  2014年8月23日(土)12時〜18時
        ※翌24日(日)には広島大学英語文化教育学会が開催されます。
3. 場所:  広島大学教育学部 第3・第4会議室(広島県東広島市鏡山 1-1-1)
        ・東広島キャンパスまでのアクセス
                http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/access/higashihiroshima/
        ・キャンパスマップ
                http://www.hiroshima-u.ac.jp/add_html/access/ja/saijyo2.html

4. プログラム概要:
(11:30-12:30:運営委員会)
12:00-12:30:受付
12:30-13:00:開会行事・総会
13:10-13:40:実践報告
13:45-14:45:研究発表
14:50-15:20:研究奨励金受給研究報告 (1)
15:25-15:55:研究奨励金受給研究報告 (2)
16:00-18:00:特別講演
18:00-18:10:閉会行事
18:30-20:30:懇親会:ラ・ボエーム広島大学学士会館1F)

5. 特別講演:
  「英語教育50年の回顧」次重寛禧先生(和歌山大学名誉教授)

6. 研究発表・実践報告・研究奨励金受給研究報告 要旨:
実践報告
定時制高校における英語教育—京都高校定時制の場合—」
        峯野光善(福岡県立京都高等学校定時制課程)
多様な問題を抱えた生徒の学びの場である定時制高校の実態及び、そこで実りのある英語教育を実現させるために試みている卓越性(excellence)を追及する授業の実践について報告する。
本校生徒の高校入学時の英語学力は、アルファベットの文字を正確に書くことができない、Be動詞と一般動詞の区別が付かない等典型的な低学力である。しかしながら低学力だからといって、中学校の復習を行うような授業では、生徒の学びは全く起動しない。逆に授業のレベルを上げることによって生徒は学び始める。この理由は不明であるが、発表者の経験則として明言できるものである。
そこで本報告では、授業で用いている教材や生徒の作品の具体例を紹介し、京都高校定時制の生徒が英語の授業において、何をどのように学んでいるのかについて考察を加える。
なお、本報告は、柳瀬他編(近刊)『英語教師は楽しい(仮題)』(ひつじ書房)に寄稿したものの続編である。

研究発表 
「『心理言語学の中のサプライズ』展開研究—視聴覚融合の最適英語学習法」
山田純(広島大学大学院総合科学研究科)・高島裕臣(県立広島大学

本研究は『心理言語学の中のサプライズ』 (第1-2章) の展開研究として視聴覚融合の最適英語学習法を論じる。神経言語学は聴覚言語(発話)と視覚言語(視素や身振り)の統合化の機序を明らかにしつつある。心理言語学の作業記憶では、音韻ループとスケッチブックを統括する中央管理システムの精緻化と多様化が進む。一方、日本の英語教育史を通覧すると、後者 (視覚情報) の学習理論と実践がほぼすっぽりと欠落していたように見える。本発表では、日本人の視素情報処理について考察し、21世紀の視聴覚融合の最適英語学習法を展望する。

研究奨励金受給研究報告 (1) 
「日本人英語学習者のリスニング不安を引き起こす要因に関する研究」
山内優佳(広島大学教育学研究科博士課程後期)

本研究の目的は,学習者が英語リスニングに対して抱く不安と2つの要因,リスニング力とこれまで受けてきたリスニング指導との関係明らかにすることである。外国語リスニング不安に関して,リスニング力との関係が十分に調査されていない。また,リスニング不安の原因やリスニング不安軽減法としてリスニング指導の充実が示唆される一方で,指導を受けた学習者は不安が低いのか,という観点での調査はほとんど行われていない。本研究では,大学1年生145名を対象に,Elkhafaifi(2005)による質問紙を用いた調査を行った。調査の結果,リスニング不安とリスニング力の間には負の相関がみられた。不安と指導時間との間にはあまり関係性が見られなかったが,不安の低い学習者は,それまでの英語学習経験の中で幅広い方略指導を受けていたことが明らかになった。(2012年8月開催の第38回全国英語教育学会愛知研究大会にて発表。)

研究奨励金受給研究報告 (2) 
"The first sentences and persuasion strategies in argumentative essays written by Japanese EFL students"
佐藤龍一(広島大学教育学研究科博士課程後期)

This study examines what should be stated at the beginning of the introductory paragraph of an argumentative essay and investigates why Japanese students tend to state their main idea in the first sentence of the introductory paragraph.