常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

学会の例会に参加して

拓殖大学で行なわれた、日本英語教育史学会 第246回 研究例会 に参加させていただきました。

本日は、私立郁文館の英語教育について、そして、札幌農学校W.S.Clark の英語教育についての研究発表を聞かせていただきました。特に印象に残ったのは教師としてのWilliam Smith Clarkの姿です。

発表や、頂いた資料を拝見させていただくと、生徒や教員などのクラークの周囲にいた人々の書簡、日記等の文献には、「クラークの影響の大きさたるや、それは絶大なものでした。」というものや、「彼ら(生徒達)がどれだけ彼(クラーク)の言葉に魅せられ、尊敬し、信じ、そして彼の様になりたいと願っていたことか。」というもの。また、「その熱心の溢れるや、磁石の如き引き付くる力を以て人を感動せしむるのであった。」といったものなどがあり、一人間、一教師として非常に魅力あるクラークの姿をうかがうことができました。このことを知った時、英語教師を志す者として、私が目指していくものの一つはクラークのような教師だと思わされました。クラークは、教師として常に人の模範であるよう主張していたそうです。
その教えの通り、人を魅きつけ、信頼を得る人間を目指していきたいと思います。

このようには、一朝一夕にはなれないものだと思いますし、また、目指したからといって、その通りになるかどうかはわからないものだと思いますが、そうなれることを信じて、学び続け、努力を続け、その先の結果としてクラークのような教師になっていたいなと強く願っています。

札幌農学校時代のクラークは雄弁術、演説に加え、英文学を英語の授業に用いて実践をされたとのことでした。
特に、演説は生徒自身が書いた英文を人前で演説するという実践や、全授業で行ったノート複写(授業ノートのメモを文章にし直し、提出)などは、今でも活かせるような実践が多く、とても興味深かったです。

今回、初めて参加させて頂きましたが、英語教育史の中に、どのような英語教師を目指すのかといったこと等を考えるきっかけが多くあることを知りました。英語教師を目指している者として、これからも英語教育史を学び、深めていきたいと思います。

最後になりましたが、学びの機会を与えて下さったUG先生、そして、英語教育史学会の先生方、本当にありがとうございました。

(Dew)