Say it ain't so, Joe.
大リーグの薬物事件が公表されたとき、あの出来事を連想した人も多いはず。と、思っていたら昨夜の「読売新聞」(夕刊)の寸評子も同じことを考えたようです。
少年が言ったとされることばの原文は、Say it ain't so, Joe. よりきちっとしたことばにするならSay (that) it isn't so, Joe.です。
Joeとはシカゴ・ホワイトソックスでプレイしていたJoe Jacksonのこと。彼は守備の名手で裸足でプレイしたこともあったためShoeless Joeとあだ名され、花形選手のひとりでした。しかしそのJoeは1919年のワールドシリーズで八百長に関係した疑惑が持たれ、球界を永久追放されてしまいました。
以来、このフレーズは大リーグの「黒い霧事件」とともに記憶され、またさまざまな場面にも転用され使われています。Say it ain't so, Shinjoe.は新庄選手が引退を表明したときにも使われていました。(これは以前、大修館書店『英語教育』にも書きました。)
米球界を揺るがしたこの事件はのちにW・P・キンセラの小説『シューレス・ジョー』でとりあげられ、それをもとにあの名作 "Filed of Dreams"(1989)が制作されることになりました。観てない学生は今がチャンスかも。(UG)