常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Say it ain't so, Joe.

大リーグの薬物事件が公表されたとき、あの出来事を連想した人も多いはず。と、思っていたら昨夜の「読売新聞」(夕刊)の寸評子も同じことを考えたようです。
        

少年が言ったとされることばの原文は、Say it ain't so, Joe. よりきちっとしたことばにするならSay (that) it isn't so, Joe.です。

Joeとはシカゴ・ホワイトソックスでプレイしていたJoe Jacksonのこと。彼は守備の名手で裸足でプレイしたこともあったためShoeless Joeとあだ名され、花形選手のひとりでした。しかしそのJoeは1919年のワールドシリーズ八百長に関係した疑惑が持たれ、球界を永久追放されてしまいました。

以来、このフレーズは大リーグの「黒い霧事件」とともに記憶され、またさまざまな場面にも転用され使われています。Say it ain't so, Shinjoe.は新庄選手が引退を表明したときにも使われていました。(これは以前、大修館書店『英語教育』にも書きました。)

米球界を揺るがしたこの事件はのちにW・P・キンセラの小説『シューレス・ジョー』でとりあげられ、それをもとにあの名作 "Filed of Dreams"(1989)が制作されることになりました。観てない学生は今がチャンスかも。(UG)

http://www.youtube.com/watch?v=sHTsQ9qePrQ