「自分の感受性くらい」
私が高校を卒業する時、当時の校長先生が卒業式の式辞で、茨木のり子の詩を朗読されました。「自分の感受性くらい」という詩です。皆さんはこの詩を読んで、何を想うでしょうか?(Phantom)
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ