常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

共学(co-learning)体験記:Phantom篇

 共学(co-learning)については、UG先生が日頃からその大切さを強調され、先輩方もブログで何度も触れられています。この記事では、私が体験した共学の方法の一つを皆様にお伝えしたいと思います。

 一昨日、授業が終わった夜の大学で、Othelloさん,Astroriverさんと『英語青年(2007年4月号,研究社)』の英文解釈練習に挑戦しました。まずはそれぞれ課題に取り組み、手持ちのあらゆる辞書を用いて内容を掴み訳出しようと試みます。今回の課題はJames Kelman(cf.James Kelman - Wikipedia)のshort-shortでしたが、私には難しくなかなか読み進める事が出来ません。そこで一旦の区切りをつけて、修士課程修了生であるOthelloさんのleadのもと、全員で解釈を検討する事にしました。この段階ではまだ、試訳や優秀作や真野 泰 先生の講評に目を通す事はしません。

 課題の一文一文を音読し、どの様に訳出すれば良いのか全員で考えるのですが、これがまた勉強になるだけでなく、英文和訳の面白さを味わうには打って付けなのです。登場人物の置かれた状況や著者が描く情景を想像しながら読み取っていき、時にはその人物に成り切って動作を演じてみたり、擬音を口に出してみたりします。それぞれの興味・関心の趣くままに辞書を引き、皆に発言してshareするのです。そうして楽しみながら、あーでもない こーでもないと話し合う内に、課題の解釈・訳出について自分達なりの結論を得ます。ここまできて初めて真野先生の解説を見るのです。

 上記が私の共学体験の一つです。振り返ってみて、今回の様に難解な素材で共学を行う際は、知識量の豊富な先輩にleadしてもらう必要があると感じました。学部生の皆様は是非、大学院生の方にお願いをしてみてください。快く引き受けて下さる先輩に出会えた私は幸運でした(Othelloさんに感謝!)。そして今回の共学体験は、私の知識欲を満たすには充分な中身の濃い時間となりました。お付き合いして下さったOthelloさん,Astroriverさん、有難うございました。(Phantom)

cf.Othelloの英文和訳 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から