常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Greco-Roman

先生の記事にもありましたようにレスリングがオリンピック競技の除外リストに入れられてしまいました(shortlisted, cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20130213/1360711582)。

Wrestling removed from Olympic program

Wrestling, which combines freestyle and Greco-Roman events, goes back to the inaugural modern Olympics in Athens in 1896.

http://www.japantimes.co.jp/sports/2013/02/13/olympics/wrestling-removed-from-olympic-program/#.URumsh2-2So


ほとんど常識かもしれませんが、恥ずかしながらGreco-Romanという表現をこれまでそのまま受け止めてきたので、しっかりは把握していませんでした。そこでこの際と思いチェックしてみました。記事のGreco-Romanはもちろん、「<腰より下への攻撃が禁じられている>グレコローマンレスリング」「グレコローマンスタイル」(‘denoting a style of wrestling in which holds below the waist are prohibited.’)のことを意味します。

しかしながら、Greco-Romanはどういう成り立ちの言葉なのでしょうか。まずこれは「(古代)ギリシャ・ローマ(風)の」(『ジーニアス英和辞典 第3版』大修館)という意味があります("Of or pertaining to Greek or Roman culture")。Greco-は国を表す接頭辞でGreekのことを指しています(考えてみれば形が似ていました...恥ずかしい!)。ちょうど、ロシアをRusso‐、中国をSino-というのと同じことなのですね。また、Greco-はもともとはラテン語由来で、現在も英国ではGraeco-Romanにあるようにaeという「合字」(ligature)の綴りを採用しているそうです。

ちなみに、世界史で習った「プトレマイオス朝」はa Greco-Egyptian dynasty in Egypt from 323 B.C. to 30 B.C.というそうです(Wictionary)。なんだか英語の方がわかりやすいと感じました。

まだ最終決定ではないとのことですが、オリンピックでのレスリング競技存続を願うばかりです。(Shou-VR*)