常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問: beautiful考

ご指名質問を頂きました。お題は次のbeautifulです。

We gather here in memory of 20 beautiful children and six remarkable adults,

結論から言うと「我々は、20人の無垢な素晴らしき子供たちと6人の称賛に値する大人たちを偲んでここに集まった」と訳すのが良いように思えます。

まずbeautifulやbeautyには「無垢、愛情、不滅」などの意味合いが隠されています(『ジーニアス英和辞典』およびRomeo and Luliet edited by Levenson, 2000)。

さらにbeautifulには、「美しい」以外にも「素晴らしい」という意味があることは注目に値するでしょう。

LDOECの第二義に注目してみます。

“2 very good or giving you great pleasure”

このようにbeautifulには、日本語で言う所の「美しい」ではなく「とても素晴らしい、嬉しさというものを与える」と意味を見出すことができます。

Oxford English Dictionaryを参照すると更に詳しく載っています。本文に合いそうなのは、第2義aのA2項aです。

2. a.A.2.a Affording keen pleasure to the senses generally, especially that of hearing; delightful. In modern colloquial use the word is often applied to anything that a person likes very much, e.g. ‘beautiful pears,’ ‘she makes beautiful soup,’ ‘a beautiful ride.’ (Sometimes difficult to distinguish from 3.)
以上を踏まえると、ここではただ単純に「美しい」という意味で使われているのではなく、beautifulの中の「素晴らしい」という意味も含めて、死者に対し弔いの言葉を表しているように思えます。(Othello)