常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

「さようなら」の表現

UG先生も以前紹介されていた放送大学の『発音をめぐる冒険』から英語表現を拾います。『発音をめぐる冒険』は音声学に興味を持ち始めてから録画し始めたのですが、発音だけでなく興味深い英語表現も多く紹介されています。今回はその番組のワンコーナーの一つで北アイルランド出身の男性に北アイルランドの英語の特徴についてインタビューをしていました。その中で「北アイルランドで”さようなら”は何て言うの?」という問いにその北アイルランド出身の男性は次の3つの表現を紹介していました。
“Cheerio!” “All the Best” “All the George”
Cheerio!は間投詞で「《主に英略式》さようなら、じゃあまた」という意味(『ジーニアス英和辞典』第4版、大修館書店)です。辞書では英略式としか記載されていませんでしたが、北アイルランド特有の表現のようです。
All the bestAll the Georgeはどちらも「《主に英略式》万事うまくいきますように(◆乾杯・別れ・友人への手紙の末尾の言葉)」という意味(ibid)でGood luckと同義語ですね。興味深いのはAll the georgeです。この表現はAll the bestという表現から北アイルランドサッカーにおいて伝説的選手、George Best選手の名前をもじり、生まれた表現であるようです。サッカーという文化がいかに国に根付いているかがわかる表現ですね。
他にも北アイルランド特有の英語表現が多く紹介されていましたが、前述の表現は北アイルランドだけでなく、イギリス全土で使われるとの事ですので、覚えておきたい表現です。(EnDough)
発音をめぐる冒険('12) - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から