ご指名質問: rot
ご指名質問を頂きました。今日は引用符の使い方を再確認いたします。なぜ引用符でくくられているのでしょうか。
Smoking 'rots' brain, says King's College study
Smoking "rots" the brain by damaging memory, learning and reasoning, according to researchers at King's College London.
まず超初歩の確認ですが、これらのマークは日本語で引用符と言います。もちろん英語ですと、quotation markです。引用符には、シングル (‘…’)とダブル (“…”)があり、しばしばイギリスでは‘inverted commas’と呼ばれます。
Swan (2005) のPractical English Usage 3rd Ed.で引用符の用法を確認してみます。まとめると次のようになります。
1. Direct speech
直接話法を引用するときにシングルとダブルを使う。引用の中の引用では、ダブル・クォーテーションをシングルの中で使う。
‘His last words,’ said Albert, ‘were “Close that bloody window”.’
2. Special use of words
特別に強調したい時に、その言葉にクォーテーションマークを使う (普通はシングル)。例えば、特定のものについて話す時、タイトルや特別な意味を持たせたい時など。
People disagree about how to use the word ‘disinterested’.
His next book was ‘Heart of Darkness’.
A textbook can be a ‘wall’ between the teacher and the class.
さて、記事に戻ります。記事を読んでみると、rotという言葉は特に誰が言っているわけではないようですから、引用ということではありません。なにより本当に「腐敗する」訳ではありません。すなわち、ここでは特別に強調をするという意味でrotが使われています。
一応、元の論文をみてみてもrotは使われていませんでした。
Cardiovascular risk factors and cognitive decline in adults aged 50 and over: a population-based cohort study | Age and Ageing | Oxford Academic
話は違いますが、論文などではMLAやAPAなど流派によって書き方も違うと思いますので、論文を書く時には、論文を提出する先の要項を参考にする必要があります。(Othello)