常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問:fall

ご指名質問を頂きました。お題は、見出しの意味についてfallを中心に解説することです。さっそく解説したいと思います。

Twitter-verse falls for faux Yamanaka after Nobel announcement

主語のTwitter-verse(twitterverse)は、以前このブログでも扱われました。意味は「ツイッター界」という意味です。ここでは、関係ありませんが、名詞verseも「韻文」の意味のほかに「パロディ;詩まがいの韻文」という意味もあります。動詞だと「…に熟練する」という意味があります(『リーダーズ英和辞典』研究社)。

続いて、fall forですが、こちらは口語で「…が好きになる」や「…にだまされる;…を信じ込む;ひっかかる」という意味です(『リーダーズ英和辞典』研究社)。LDOCEですと“to be tricked into believing something that is not true”と最初に定義されています。ちなみに同辞書にはほかにも『リーダーズ英和辞典』やその他の学習辞典にはない意味合いも記されていました。たとえば第3義の“to like a place as soon as you see it”という意味は手持ちの辞書では見当たりませんでした。どちらにしろ「落ちる」という原義を考えるとわかりやすいと思います。さて、話が逸れましたが、ここでは「…に騙される;ひっかる」という意味合いで使われています。

以上を踏まえて試訳をしてみると「ツイッター界はノーベル賞発表後に表れた,なりすまし山中教授にひっかかる」となります。(Othello)

cf. Twitterverse - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
Twitterverse #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から