常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

第36回関東甲信越英語教育学会 群馬県大会感想

8月18日、19日に、第36回関東甲信越英語教育学会 群馬県大会に発表者として参加してきました。久しぶりに会ったGP、Lbow ShoulderやTKNKによる発表も聴くことができ、刺激に満ちた2日間でした。

自身の発表から学んだことはもちろん数多くあり、ここでは「シンプルに(KISS)」、そして「仲介者(being mediator(s))」という2つの視点から感想を述べたいとおもいます。

まず、「シンプルに」ということ。これについては、多くの方が同じ事を言っていますが、発表はわかりやすさがカギです。つまり、KISS(keep it simple and stupid)が大切です。一方で、中には素晴らしい発表をする方もいますが、わたしのような修士の院生は、先輩や先生方の真似事をして――口頭発表では扱え切れない、もしくは自分のレベルに見合わない理論や方法論を扱って――発表原稿やレジュメを複雑に作りたがります。すると結果的に「何が言いたいんだか、なんだかよくわからない発表」になってしまいます。

そこで、研究内容や複雑な理論、方法論と発表を聴いて下さる方々を「仲介する者(mediator)」としての役割が発表者に必要なのだと感じました。シンプルでわかりやすい発表でないと、発表者と発表を聞いて下さる方々に認識のギャップが生まれまれます。もちろん発表者は、自分が発表する内容に関しては、何度も吟味するので、扱う理論や方法論などについて熟知しているはずです。しかし発表を聞いて下さる方々は、それらに関するスキーマがない場合があります。だからこそKISSの姿勢で、発表者は、研究内容、理論および方法論と聴衆の架け橋になり、認識のギャップを埋める仲介者としての意識が必要なのだと思いました。

今回の発表では、わたしは、発表内容をKISSし、仲介者として発表できたとは言い難いとおもいます。初めて発表者として参加するという事もあり、修士論文、授業、TA業務などの傍ら、何ヶ月も前から準備をしました。何度も作り直しているうちに欲が出て、考察の部分で自分の研究の範囲外のことを扱ったり、何かrevelationがあるんじゃないかと様々な書籍、論文にあたったりしました(もっとも血迷ったときは、何故かSaidやSpivakも読みました)。やはり、自分のレベルでは消化不良を起こしてしまったようです。

今後は、まだまだ多くの点で直す必要がありますが、「シンプルに」「仲介者」としての役割を意識して発表に臨みたいと思います。最後になりましたが、今回わたしの発表を聴いて下さった方々、そしてご質問をして下さった方々には心より御礼申し上げます。(Othello)