常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

調査旅行

明日から松江市に調査旅行にまいります。本来なら本日早朝のdepartureを予定していましたが、西日本でゲリラ豪雨があるかもという天気予報に恐れをなし、あっさり延期してしまいました(ホテルの手続きが面倒だったけど)。

             
                (書斎の窓から鉛色の空をみる)
というのも久しぶりに(5月の気仙沼調査旅行以来)、愛車の「F10」を転がして行くからです。でも一挙には走らずに,明日は中間地点のホテルに泊まります。10年前だったら,9時間くらい(関東〜松江)一挙に駆け抜けることもできましたが、もう無理。

当地では、松江尋常中学校で教鞭を執っていたラフカディオ・ハーン小泉八雲)の教え子だった大谷正信に関する調査を行います。彼は旧制第四高等学校,広島高等学校で教授を務め、恩師ハーンの作品の翻訳を多数こなした英語・英文学者でしたが,子規派の俳人としても数々の作品を残しています。

と,ここまではよく知られたことですが、その彼が文部省留学生としてロンドン大学(University College London)でDaniel Jonesの音声学を受講し、講義ノートの要約を『英語青年』に連載し、それが「大正英語音声学」ブームの引き金となったことはあまり知られていないのです。今回の研究はもっぱら「音声学伝搬人(?)」としての大谷を探るのが目的です(Minnesotaくん、金曜日は『青年』の、大漁ではない大量のコピーのお手伝い、感謝です!)。

幸い広島におられる「ハーンの会」会員のT先生から有益な情報をふんだんにいただくことができ,手始めの今回はまずは公的機関のみを少しまわろうと思っております。

というわけで一昨日から準備にかかっておりブログもご無沙汰でしたが、ネットであれこれと下調べをしている中で、大谷に(とくに英語音声面で)大きな影響を与えたのはハーンのみならず、松江中学の西田千太郎(文検合格者)もそうだったのではないかなぁという疑問がわいてきました。「今頃,気づくなよ!」と自分に言いたいところですが、まずはとにかく現地に足を運んでこの辺りのことも含めていろいろ漁ってみます!今回は完全につぶやきでした。(UG)