常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

?bought a kitchen knife to the scene

昨日のJT記事にあった "bought a kitchen knife to the scene"ですが、以下のようにSugiuchiくんから返事がありました(GPくんはどうしたのかな?)。

"I was going to kill myself and bought a kitchen knife to the scene. But I stopped short of killing myself. I thought I would be sentenced to death if I killed someone," Isohi was quoted as saying.
http://www.japantimes.co.jp/text/nn20120611a1.html


http://d.hatena.ne.jp/A30/20120611/1339378181

私はbuy something to somewhereという用法は可能であると思います。基本的にbuyはforと共起し、buy something for someoneという形で第3文型をとります。しかし、私の手許にある辞書やインターネットを管見したところ、buy something to somewhereが見受けられました。forの場合は「〜のために」というニュアンスが強く、toは「〜へ」という方向を指し示す少しドライ(forに比べると)な感じがします。
以上の考えですと、深読みになるかもしれませんが、被告が感情を介さずナイフを購入し、犯行現場へ向かうという冷徹な被告の姿が浮かび上がってきます。私はこのように解釈してみました。何かご意見ございましたら、頂戴できたら幸いです。(Sugiuchi大先生)

そうですか...。そういうとらえ方もあるんですね。「管見」したという用例を示してくれませんか。私にはただ単にtypoのように思えます。

つまり、brought A to Bか、boughtだったら toではなくatだと思います(現場近くの百貨店で包丁を買ったということなので)。

まあ、これはたいしたことではないけどやはり気になります。気になるというとこの事件で出てきた「犯人は馬乗りになって差し続けた」の「馬乗り」もそうです。jump on~とどこかの通信社にはありましたが、馬乗りのニュアンスが出ているとは思いません。GPくん、今度こそどうですか?(UG)